小さな活版印刷機の版をレーザーで自作してみた






きっかけ


発売から、すでに2年以上も経過しているにも関わらず、今だに、人気のある「大人の科学 小さな活版印刷機」ですが、ふと、思い付いたことがあったので、実験してみました。

そもそも、おっさん世代にとって、「印刷機」って、魅力を感じてしまうんですよね~(筆者だけ?!)
今でこそ、家庭用プリンターや、コンビニのコピー機など、印刷や複写など、身近な存在ですが、当時(昭和50年代)には、学校くらいしか、印刷機を見ることができなかったんですよね。

テストや、家庭通信(いわゆる、お便り)は 先生が、ロウ紙に鉄筆で描き(ガリ版と同様)、機械にセットして、ハンドルを回すと、パタパタと、印刷される…孔版印刷ってやつですな。

そんな時、親戚のおじさんに連れられて、名刺屋さんに行ったことがありました。
おじさんが、注文している間、奥で動いている活版印刷機の不思議な動きに、魅了されたものでした。



まずは普通に



話が暴走しそうなので、話題を戻します。
大人の科学 小さな活版印刷機」は 現在も、大型書店や、アマゾンで売ってます。




付録がメインですが、小冊子には 少しですが、活版印刷機の歴史なども載っており、個人的には もっと詳しく載せてほしいところです(笑)




付録は こんな感じで入っています。
てか、もはやメインと言ってもいいでしょう(笑)
昔、学研の「科学」や「学習」も、付録目的で、とっていましたもんね!




説明書を見ながら、サクサクっと、組み立てます。
単純ながら、巧妙に動く為の仕掛けや、角度などに、関心しているうちに、出来上がります。




レバーを上下することで、ローラーがインクを版に塗り、紙が押されて、印刷されるという仕組み。

実際の活版印刷機と、ほぼ、同じ動作ですね。
こんなに小さいのに、ちょっと感動です。




活版は こんな感じで入ってます。
ハサミや、ニッパーなどで、バリを残さないように、切り取ります。

平仮名と、アルファベットがありますが、各1つづつしかないので、同じ文字を使いたい場合は、何度かに分けて印刷する必要がありますね。




とりあえず、文字をならべてみました。

みかさ べーす
あ そ ぼ !




インク(といっても、水性絵の具のようですが)をインク台に乗せ、ローラーを何度か上下させて、しっかりと、なじませます。

紙をセットして、パタン!と押せば…




印刷できました!
当たり前なのですが、何故か感動している自分がいます(笑)
興味のない方には 全く理解していただけないと思いますが、いいんです。
解る人には わかるはず…




ここから実験


とりあえず、普通の使い方ができたところで、実験です。
先も述べたように、付属している活版(文字)には 

×同じ文字がありません。
×漢字が、ありません。
×フォント、大きさが、1つだけ
×ロゴや、絵が入れられない。

そこで、それらを解消するための、オリジナル版を作るのに、樹脂版を使う方もいるようですが、今回はレーザー彫刻機を使って、版を作ってみます。



まずは データー作り。
1枚モノで作るのではなく、文字部分だけを1行づつ彫って、カットすることに。
それらをガイドに合わせて、貼り付けて版にする作戦。




材料はアクリル板なので、インクの乗りを考えて、表面全体を軽く削ったあとで、反転文字を彫ります。(正確には 文字以外を彫るですが…)




一番上が、「土台」
中間の細いのが、文字パーツ
下が、位置合わせのためのガイド

一枚物で作るより、この方が、熱による反りの軽減や、時間の短縮、そして、特定の文字列(名刺なら、名前だけ変えるとか)だけ作り直せますよね。




ちなみに、文字部分は こんな感じ。
高さは 約1.5mm程にしてみました。 
出来上がりをみて、調整が必要でしょうが、とりあえず、これで行ってみます。




ガイドで、位置を合わせて、両面テープで貼り付けました。




これを 小さな活版印刷機にセットして…




インクを よ~く、なじませたあと、紙をセットして、パタン!!




…が、うまくいかな~い!!(笑)




最初は かすんだり、滲んだり、汚れたりで、うまく出来なかったのですが、インクの配合や、版の厚みや、彫刻の仕方など、色々調整した結果…




お!
イイ感じかな?!




まだ、若干の調整が必要でしょうが、概ねコツが掴めた感じです。

次は ロゴや、イラスト、また多色刷りも試してみようかな?(笑)




次回の課題


□ インクの種類や、配合
本品は 一般的な水彩絵の具を使用していますが、希釈の割合や、希釈するもの、または インクの種類(アクリル系や、油性など)によっての、仕上がりの変化を実験してみます。

□ 凹みを増やし、より活版らしさを
活版印刷の魅力といえば、文字部分の凹みではないでしょうか?
ただし、この「大人の科学 小さな活版印刷機」では このままでは強く、圧をかけられないので、何か考えてみます。

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