革製品を作るとき、オリジナルの刻印が入る…
革に刻印した後、黒い斑点や黒ずみが発生する場合について

最近、みかさベースへ「アクリル刻印」のご注文を多く頂き、ありがとうございます。
故に、お時間を要する場合もあり、その場合は大変、申し訳ありませんが、引き続き、よろしくお願いいたします。
たまに、ユーザー様から
「刻印したら、革に黒い斑点が出た。原因は何でしょう?」
という連絡をいただき、その都度、個別対応させていただいておりましたが、今回は その原因と対策をまとめてみます。
・カビ
・油分
・汚れ
など、色々ありますが、「刻印した後」ということで絞れば
鉄分による反応
と思われます。 刻印に使用するプレス機やクランプは 大概は金属製ですので、直接触れなくとも、手に付いた鉄分が反応する場合もあります。
刻印される際は 革の銀面のみならず、床面にも触れないように、ご注意ください。
水に含まれる鉄分
水道水には鉄分が含まれていますが、地域によって、その度合いは異なるようです。
鉄分が多く含まれている水道水の場合、革に反応する場合も考えられますが、経験上(実際に計測、検証した訳ではありません…あくまで私見ですが…)元々供給されている水に含まれている鉄分は さほど多くないようで、水道管や屋内配管、蛇口等の劣化による内部の金属が剥がれ水と一緒に流れ出てくるのが原因の可能性が多い気がします。
この場合、完全に水に溶け込んでいる鉄(水溶性鉄分)というより、粒子の粗い「鉄粉」のような状態が多いと黒く反応してしまう場合が多いようです。ですから対策としては
「鉄分が含まれていない水を使う」
いわゆる「純水」を使用するのが間違いないかも?ですが、刻印以外に用途がない方の場合、少し不経済な気もしますので…
その他の対策は?
1.水を数分出してから 革を濡らす
水は止まっているときに、配管内の鉄分を多く吸収しますので、数分間、水を流すことで、堆積した鉄分が放出されると反応を防げる場合があります。
2.簡易的なフィルターを使用する
粒子の粗い「鉄粉」が原因の場合、
「蛇口に取り付けるタイプの簡易的なフィルターでも効果があった」
というユーザー様もおりました。
3.浄水器を通した水を使う
「洗面所の水ではダメだったが、キッチンの浄水器を通した水なら大丈夫だった」
という報告も頂いております。
浄水器は簡易的なフィルターに比べ、不純物の除去に優れていますから、「当然」といえば当然ですがw、すでにお使いの方は即解決ですね♪
4.ミネラルウオーターを使う
「純水」を使用しなくとも、飲用で購入されている方はミネラルウオーターを使ってみるのもアリかも?です。
ミネラルウオーターにも鉄分は含まれていますが、さほど多くはないようで(メーカーや品種によって変わりますが…)配管劣化が原因の場合は有効かもしれません。
5.加湿器を使う
これは別な意味合いでも「利点」がある場合があります。
ここで記述すると、長~くなりそうですのでw、後日別記事にします♪
ということで、革に黒い斑点や、黒ずみの予防策を挙げてみましたが、これで終わると物足りないので、いつもの、比較実験ですw
上記の2と3はユーザー様が検証してくださったので、それ以外の手段を実践してみます。
お暇なら、お付き合いくださ~い♪

出来の悪かったアクリル刻印wwwを使用して、色々試してみます♪

エアコン不調で、2日程入れなかった(当然、水を出してない)2F作業場の蛇口から、開けた直後の水で革を濡らします。

で、当然ながら、金属に触れないように注意しながらプレス♪
(プレス時はアクリル刻印の上に薄い板を挟んでいます)

プレス直後の図
今のところ、特に、問題ないですね?
これを「検体A」とします

次は、数分間、水を流した後で革を濡らしてみます。

区別の為、右下を斜めにカット
これも、今のところ、問題ないように見えますね?
こちらを「検体B」とします

次は、ミネラルウオーター(近所のツルハで60円位www)
左上をカットしておき、「検体C」として

これは 加湿器で濡らす…というより湿らすといった感じです。
*加湿器使用についての詳細(能書きw)は後述(予定)します。

加湿器で湿らせてからプレスした直後の図。
こちらは右上をカットしておきます。
「検体D」
として、経過を見ます。
↓風通しの良い場所で、約1時間、自然乾燥後↓

「検体A」
全体に黒い斑点が出てきました。
一見カビのようにも見えますが、鉄分による反応です。

「検体B」
Aと比べるとかなり減少していますが、若干薄い斑点が出てしまいました。
もう少し、水を流してから濡らすと良かったかもしれませんね。

「検体C」
ほとんど斑点はありません。
ミネラルウオーターに含まれている鉄分では ほとんど影響がないことが確認できました。

「検体D」
加湿器から出たミストで湿らせた場合、全くといっていい程、黒い斑点が見られません。
お住まいの地域や、環境等により異なった結果が出る場合もありますので、一概には言えませんが、刻印後や、カービング、立体加工の為に革を濡らした場合の、黒い斑点やシミが出てしまう場合の参考になればと思います♪
気を付けていても、万一、黒い斑点やシミが出た場合、「クエン酸」で消えると言われています。
刻印後の場合、あまり、お勧めできる方法ではないのですが…非常手段としての検証です。

どこにでも売ってるタイプの「クエン酸」ですw
ダイソーにも売っていますね。
これを水に溶かして
(分量は適当…)

先ほどの「検体A」をドブ漬けします。
綿棒などでトントンするより、効果大&シミの原因が軽減される…と思う…

時々、軽く混ぜて、数分間…目視で斑点が消えてから、乾燥させた状態。
消えましたね♪

↑の状態から、さらに3日程放置したのがコチラ。
斑点が再発することはありませんでした
ということで、革の黒い斑点や、黒ずみには クエン酸で消えることが解りましたが、刻印後…つまり
「革を濡らす」→「プレス(刻印)して乾燥」後、再び湿らすということですから、あまり「良い方法」とは言い難い気もするので、極力、鉄分には気を付けて、万一反応が出てしまった場合の非常手段として留めていたほうがイイと思います(個人の見解ですが…)
*ご注意
毎度のことですが、本文は あくまでも、みかさベースにて、実験、検証した結果に基づく私見であり、科学的な数値解析等を行った訳ではありません。
また、お住まいの地域や設備、環境、革の材質等により異なる結果となる場合もありますが、その結果に対する補償、責任は持てませんので、自己責任の元、十分に検証されてから実施してください。
















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