ジャノメ家庭用アンティークミシン(HA-1)をDB針(24番)で0番糸対応に改造してみた









ミシンでの直線縫いは 主にリッカー職業ミシンRT-6(これも、かなり古いですが…)を使用しているので、某ルートからwジャンクで手に入れた、このジャノメミシンは ず~と放置していたのですが、せっかくですので、清掃、整備を兼ねて、0番糸対応に改造してみようかな?と思ったときの話です。




一部の界隈で人気の(?)アンティークミシン(HA-1)ですが、他メーカーの機種でも流用できるパーツが多いので、修理や改造しやすいミシンですね♪




まずは針板を外してみると…まぁ…こんなモンですよねぇ~www
送り歯を外して、磨きます♪




釜も外して、ひたすら掃除しませう~
ボビンボビンケース(半回転)は新品に交換します。




裏側からも…動きがスムーズになるまで掃除&注油して♪




糸調子も固くなっていたので、バラしてみます。
部品に破損はなく(多分…)固着していたようです




調子皿は特に念入りに磨いておきます。
ミニルーターでピカピカに♪

ミシンのパーツはここでも色々手に入ります




糸調子バネは ヘタっていたので、少し固めなモノと交換しておきます。
…0番糸に耐えられるかな?!




試しに、DB×1#24を(ちょっと強引だけど)そのまま取り付けてみます。
剣先との距離はありますが、内釜にはギリギリぶつからない感じです。




針板の針落ち穴は広げないといけませんね?
少しでもバリがあるといけないので、ダイヤモンドビットで研磨しときます




この状態で、0番糸(針はDB-1、24番)で試してみます…1往復で糸がほつれましたwww
内釜に擦っているのが原因ですね。




HA-1(家庭用針)は針棒の当たり面が「平」に対し、DB針(職業/工業用)は「丸」しかも、DB針の19番以上は針軸が2.02mmと、太くなるので、さらに剣先から離れた位置になりますね。




なので、アンティークミシン(HA-1)で、職業/工業用ミシン針を使う場合は

A案・・針棒の溝を深くする
  *HA-1針を使いたい場合や、失敗したときwは 単品で売っています

B案・・釜に薄いプラバン等を挟み、針の「えぐり」と剣先の隙間を調整する。

C案・・針の太さが19番以上でも、針軸が1.62mmのDB×A20などを使用する。
 *この場合でも、針棒の加工や釜位置の調整が必要

D案・・特別な針棒を使用する
 *一般的な職業/工業用ミシン用の針棒の直径とは異なるので、入手が困難っぽい。
  自作も不可能ではないと思うが、結構面倒…

のいずれか(または合わせ技)となりそうですが、本機は「太い針専用マシン」として使用したいので、A案の「針棒の溝を深くする」に挑戦してみます♪




まず…針の先端は どのくらいズレるのか?
マスキングテープを使って検証w

右がHA-1、左がDB-1#24




とは言え、先の理由により、単純に、この寸法だけ削ればイイってモノではないっすよね?!
剣先と内釜の間に、それぞれ適正な隙間にしなくてはいけないが、結構カツカツ…微妙な位置合わせになりそう…




針棒を抜きます。
ふところ側の穴から、マイナスねじを緩めますが、結構固いので、ドライバーは先端が小さくても、グリップ部が太目のタイプがイイかも?!




取り付けたい針の、あらゆるサイズをHA-1針と比較して、針棒をどのくらい削るか?を検討します…ん~、ムムム…




ちなみに、針棒の先は このような溝になっています。
溝の幅は2.02mmで、DB針(#19以上)の針径と同じですが…




溝の深さは浅く、「平」ですから、浮いている感じになってしまいます。
これでは 針止めを いくら締めても不安定ですね?!
上記のB案にしなかったのは この為です。




DB×A20等を使えば、ある程度、溝に収まりますが、針径が1.62mmなので、隙間があって安定しません。




手段としては 約2mm幅で溝を掘ってから、隙間を樹脂などで埋める?

もしくは、一旦、この溝を溶接で埋めてから、1.65程度の溝を掘る?

ん~でも、目的としては主に「革を0番糸で縫う」なので、針径は太い方(2.02mm)を使いたいので、DB×A20使用は考えないことにします。




なので、普通に考えれば、現行の溝の平面を2mmのボールエンドミルで球面に掘って、針とフィットさせればイイか?と思ったのですが…




この方法ですと、針が針棒に深く入りすぎて、剣先に当たってしまいそう…
当然、浅くてもダメなので…
球面で掘ることを考えると、深さの計算がややこしくなるので…




あえて、平面の中心を細く掘ると考えると、剣先との距離感が掴めそう♪
イラストで検証した結果、1.5mm幅で、0.4mm掘るとイイ感じになりそうでした。







2.2mm幅のセンターに真っすぐ…となると、どーしましょう???
2mmのエンドミルがあったので、コイツを利用して♪




フライス盤のテーブルに、針棒を半固定して、X軸を何度も往復させ、2mmのエンドミルが溝に触れない位置で固定する。
その位置で、Y軸オフセットを0とする♪




この状態で、1.5mmのエンドミルに交換♪
理論上は 溝の中心(誤差0.1mm以下)になっているはず…ですよね?




焦って掘ると、ポキって逝きそうなので(何度も経験済www)、慎重に~少しずつ~ゆっくりと~
何とか彫れました♪




針(DB-1#24)をセットしてみると、予定通り、ズレなく真直ぐに固定できました♪




針棒をミシンに戻して、高さを調整して、タイミングを確認すると…剣先との隙間も理想的!…な気がしますwww




そして、もう一つの課題です。
太い糸の場合、縫い幅(送り幅)は5mm位まで欲しいのですが、このミシンは4mmまで…




が、カバーを外すと、もう少し、送り幅が大きく出来そう♪
このまま外して使ってもイイのですが、美しくないのでw




カバーの溝を延長してみます。
溝幅(約5mm)と同寸の刃は無かったので、4mmエンドミルで、2往復♪




MAXまで、下げることができました。
内側のプレート(名称わからないw)は リバース時の送り幅合わせと、振動でズレない為の役割(多分w)なので、省略♪




これで、工業用DB針24番で、0番糸(ビニモMBT)を約5mm幅で縫うことができました♪




革の厚みや重ね枚数、硬さなどによって、調節や工夫が必要と思いますので、色々と検証していきます♪

その前に、ミシンがむき出しなので、台を作らないといけませんね?!

次回の「アンティークミシン(HA-1)を卓上で使うための台を端材で作ってみた」に続きます。




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