革漉きの方法(道具)を比較…レーザー彫刻機で、革漉き&カットしてみた






以前「手工具による革漉きの方法(道具)を比較してみたら、1位は…」というタイトルで、色々な革漉き方法を比べてみましたが、今回はレーザー彫刻機で、革漉きを比べてみます。




最近は安価で、色々なタイプのレーザー彫刻機が販売されておりますが、みかさベースでは 長年愛用しているCO2レーザー彫刻機(40w)にて行います。




通常、皮革には銀面に、ロゴや文字などを焼き印風に彫刻やカットができて、とても重宝しておりますが、ウチ以外で、「革漉き」している情報が見つからなかった(探せなかっただけ?)ので、今回のネタにしましたw




理屈的には 皮革の床面(裏のボソボソ面)にレーザーを照射して、「焦がすことで、希望の厚さにする」といった感じですね♪




まずは いつものとおりイラレなどで、カットデーター(黒)と、漉きたい場所(赤線)で指定して、dxf形式で一旦保存♪




レーザー彫刻機の制御ソフトに呼び出して、漉く(彫刻)の条件と、カットするための条件を設定します。




カットデーターより、一回り大きい程度の革の端切れを用意しました♪




銀面が、熱やコゲの跳ね返りを防ぐために、マスキングテープで保護しておきます。




レーザー彫刻機は通常、ハニカムテーブルを使用していますが、熱の跳ね返りを防ぐために、目の細かい発砲スチロール板を敷いて、スプレー糊で、革を仮固定します。




レーザー照射開始!
最初は 漉く部分を「彫刻」していきます。




その後、カットデーターに基づき、レーザーで切断します。
レーザーでカットすると、どんな複雑な形でも、あっという間にカットできるので、便利ですね♪




漉いた(彫刻)部分は 焼きカスが乗っているので、サンドステックなどで、キレイに落とすと…




しっかりと「段漉き」できています♪




床面にサイビノール等を塗って、他のパーツと接着すると、はっきりと段差が確認できます。
境目のラインに菱目打ちして縫うと、イイ感じになりますね♪




次は 革の「ヘリ返し」の為のデーター設定です。
革を折る部分を更に深く彫刻します。




まずは 漉く部分全体を「彫刻」します。




その上から、「折る部分」を適当な幅と深さで、再度彫刻(焼く)します。




最後にカットして、レーザー加工終了♪




先程同様、サンドステック等で、「削りカス」を取り除くと…




段漉きした部分の中心に溝が彫れたような感じです。




革がキチンと折れることが確認できたら…




段漉きした部分にゴム糊を塗って、暫し休憩♪




ある程度、乾いた頃合いを見て、やっとこで、圧着します。




床面と、ほぼピッタリ(むしろ、漉き過ぎた?!www)で、ヘリ返しされました♪




銀面から見ると、こんな感じで、コバ面が隠れています♪
若干、ボコボコ感があるので、ローラー等でならしませうw




ヌメ革の場合、コバ処理で仕上げる場合が多ですが、例えば、革巻きジッポの合わせ部分などは 「ヘリ返し」しておいた方が、スッキリ見えるのではないでしょうか?
(個人の感想ですwww)




レーザー彫刻機による革漉きは 当然ながら「非接触加工」になるので、刃物による革漉きに比べ、繊維等が原因の「引っかかり」や、「伸び」等の影響を受けないので、クロム鞣しのように、柔らかい革でも、ほとんど問題ないのが魅力ですね♪
ただし、革の状態、材質等により、レーザー照射の設定(強さ、速度、走査間隔等)が大きく異なりますので、十分なテストが必要ですが、一旦データー化できると、ほぼ同じ仕上がりが望めるのも利点かもしれません。

もちろん、用途によって使い分けが必要ですが、「革漉き方法の一つとして、レーザー機もアリでは?」というお話でした♪

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